不動産売却理由のトップ5とは？戸建てとマンションでの違いは？

不動産売却理由のトップ5として多くの調査で共通しているのは、次の5つです。

トップ5の売却理由

住み替え（ライフステージの変化）
- 結婚・出産、子どもの独立、高齢になってバリアフリーへ、都心⇔郊外への移動など、ライフスタイルの変化に伴う住環境見直しが最も多い理由。
- 「より広い家」「駅近・利便性重視」「老後向けのコンパクトな住まい」への住み替えニーズが典型。
不要物件の処分・資産整理（相続含む）
- 相続した実家や使っていない空き家、セカンドハウスなどの維持管理コスト・固定資産税負担を減らすための売却。
- 相続人が複数いて現物分割が難しい場合、売却して現金で分ける資産整理のケースも多い。
「売り時」だと思ったため（高値売却・市況判断）
- 相場上昇・金利動向・将来的な価値下落への懸念などから、価格が高いうちに売っておこうという判断。
- 投資用不動産では特に、利回り低下や出口戦略としての売却が「売り時」判断の背景になる。
転勤・転職など勤務地の変化
- 通勤圏外への転勤・転職、単身赴任を避けたい・長期化が見込まれるなどの事情で、現住宅を売却して新天地で購入・賃貸に切り替えるケース。
- マンションは流動性が高く、戸建てよりも転勤・転職を理由とする割合がやや高い傾向が指摘されている。
離婚・別居など家族関係の変化
- 共有名義の自宅を売却して代金を財産分与するための売却が典型的パターン。
- 戸建ては物理的に分けにくいため、売却して現金化する選択が取られやすいと分析されている。

専門的には、上記に加えて「住宅ローン返済困難など金銭的理由」「近隣トラブル・環境への不満」「老朽化・建替え困難」なども上位に入ることが多いですが、比率ベースでは上記5つが安定して多いという傾向があります。

戸建てとマンションでは、共通して「住み替え」が最多ですが、戸建ては「相続・資産整理」、マンションは「売り時判断・転勤・管理費負担」などの割合が高くなる傾向があります。

戸建てに多い売却理由

住み替えの比率が高い：全国調査では戸建て売却理由の1位が住み替えで約3～4割を占める結果が多く、家族構成の変化や老後を見据えたダウンサイジングが背景にある。
相続・資産整理が上位：地方の実家や空き家化した戸建てを相続後に売却するケースが多く、ランキング3位前後に「相続関連」が入ることが一般的。
転勤理由の割合はやや低め：マンションに比べて戸建ては売却や賃貸化がしにくいと感じられやすく、「転勤・転職」は上位だがシェアは1桁台後半程度とされている。

マンションに多い売却理由

売り時だと思ったからが目立つ：全国・都市部の調査では、マンション売却理由の2位前後に「今が売り時だと思った」が入り、2割程度を占めるケースが多い。
転勤・転職の比率が高い：東京都など都市部マンションでは、3位前後に「転勤・転職」が入り、1割強と戸建てより高い割合となっている。
管理費・修繕積立金・住環境への不満：マンション特有の理由として、管理費や修繕積立金の増額負担、上階・隣室との騒音など住民間トラブルを背景にした売却が挙げられる。

戸建てとマンションの主な違い

項目	戸建てで目立つ理由	マンションで目立つ理由
住み替え	家族構成変化・老後配慮の戸建て→コンパクト住戸などが中心。	都心⇔郊外、戸建て志向への住み替えなど流動性の高さが反映。
相続・資産整理	実家・空き家の処分として上位に来ることが多い。	相続理由はあるが、割合は戸建てより低め。
売り時判断	土地値重視で売却するケースはあるが、比率はマンションより低い。	市況の好調さを背景に「高く売れるうちに」という理由が2位前後。
転勤・転職	売りにくさから賃貸化も検討され、割合はやや抑えめ。	賃貸・売却の選択肢が取りやすく、転勤理由が上位・高比率。
物件特有の負担	広い敷地の維持・草刈り・老朽化など管理負担が背景になりやすい。	管理費・修繕積立金の増額や管理組合・近隣とのトラブルが売却動機になりやすい。