「私道負担」ってなに?
マイホーム購入前に必ず知っておきたいポイント
マイホーム探しをしていると、物件のチラシやネットの情報欄に「私道負担あり」と書かれていることがあります。
「私道って何?」「負担ってどういうこと?」と疑問に思う方は多いはずです。
実はこの「私道負担」、きちんと理解せずに購入してしまうと、あとで思わぬトラブルや余計な費用に悩まされることもあります。
今日は不動産売買の現場から、私道負担とは何か?購入前に何を確認すべきか? を分かりやすく解説していきます。
1. そもそも「私道」とは?
「私道」とは、その名の通り 個人が所有している道路 のことです。
公道(国や自治体が管理する道路)とは異なり、道路の管理や修繕は所有者が行う必要があります。
例えば、土地や建物に接する道路が「私道」の場合、道路がきちんと使えるように維持管理する責任は所有者にあります。
そして、購入する土地や建物の条件によっては、その私道の一部を「共有で所有する」ことになり、これを「私道負担」と呼びます。
2. 「私道負担あり」とはどういう意味?
物件情報に「私道負担あり」と書かれている場合、次のような状況が考えられます。
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家に接する道路が私道で、その一部を購入者も所有する必要がある
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あるいは、自分は持分を持たずに「通行権」だけをもらうケース
つまり「道路も一緒に買う」か「道路を通らせてもらう権利を得る」ことになるのです。
一見すると「ただの道路だから気にしなくていいのでは?」と思うかもしれませんが、ここには注意すべきポイントがたくさんあります。
3. 私道負担のメリットとデメリット
メリット
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接道義務(建築基準法上、家を建てるには幅4m以上の道路に2m以上接している必要がある)をクリアできる
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道路を共有することで、敷地への出入りが可能になる
つまり、「私道負担があるからこそ建てられる家」も存在します。
デメリット
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道路の修繕や舗装工事が必要になった場合、費用を負担しなければならない
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水道管やガス管の工事をする際に、私道の所有者全員の承諾が必要になるケースがある
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権利関係が曖昧だと、後から「通行を認めない」などのトラブルになる可能性がある
特にデメリット部分は、購入後に初めて知って困る人が多いので、契約前に必ず確認しておきましょう。
4. 私道負担をチェックする時のポイント
① 所有権の有無を確認する
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「道路の持分を買うのか」
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「通行する権利(通行承諾書)があるだけなのか」
これは大きな違いです。通行承諾がないと、極端な話「道路を通れなくなる」リスクも。
② 登記簿を確認する
登記簿で「私道部分の所有者」と「自分の権利」がどうなっているか確認します。
また、将来の売却時にも、買主から必ずチェックされる項目です。
③ 工事や修繕のルール
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道路の舗装・下水管工事などの費用を誰がどの割合で負担するのか
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住人同士で取り決めがされているか
ここが曖昧だと、近隣トラブルの原因になりやすいです。。
6. 購入前にやっておくべきこと
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契約前に 必ず重要事項説明書をチェック する
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分からない部分は、不動産会社や司法書士に確認する
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現地に行き、道路の幅や通行状況を実際に歩いてみる
また、将来売却するときに「私道負担あり」は敬遠されることもあります。
資産価値の観点からも、慎重に判断したいポイントです。
まとめ
「私道負担」とは、購入する家の前の道路に対して所有や管理の責任を持つことです。
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接道条件を満たすために必要なケースもある
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しかし修繕費や承諾問題など、トラブルの火種になることも多い
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契約前に所有権・通行権・費用負担のルールを必ず確認することが大切
マイホーム探しでは、建物や間取りばかりに目が行きがちですが、道路の権利関係といった「目に見えにくい部分」こそ、安心して暮らすための重要なチェックポイントです。
「夢のマイホーム」が「悩みのタネ」にならないように、ぜひ私道負担の仕組みを理解したうえで、納得できる物件を選んでください。
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